vol.18 「パンの木」の“実”はパンではなかった?!

今回は「パンの木」のお話。
先日、たまたま仕事で、ROTA島に行く機会がありました。ROTA島はグアムとサイパンのちょうど中間にある島。人口はなんと3300人。面積は伊豆大島と同じくらい、外周は山手線の一周と同じくらいの小っちゃな島です。
ところが、この島、かなりすごい。海は世界有数の透明度を誇ることで、ダイバーの憧れに!さらに、なんと過去に一度も大陸と地続きになったことがないため、固有の動植物が生育しているとのこと。
そこには「自然の宝庫」という噂どおり、色とりどり花や、ジャングルがひろがっていました。普段、なかなか鉢植えでしか見ることができないハイビスカスやプルメリアも、いろいろな色が自然に咲いているし、カラジウムや、エバーフレッシュのような木が普通に生育しているのです。
なかでも、私の目をひいたのは、“パンの木”。
何度か店頭でも見かけたことがある“パンの木”。
手のひらのような大きな葉っぱが特徴の観葉植物。今まで1m50cmくらいの高さのものしか見たことがありませんでしたが、なんと、ここにあるのは、10m近くもありそうな高さ。
「パンの木」というくらいだから、実がパン味なのかなぁ?と、ずっと不思議に思っていたのですが、今回初体験。食事のたびに、みたことがない形状のイモのようなものがお皿にごっそりあったので、現地の人に聞いてみると「○○○ fruit」と答えが。「えっ、grape fruit?そうは見えないけど・・・」見た目はパイナップルの薄切りをゆでた感じ。食べても、「うーん、単におイモ?grape fruitってゆでるとイモになる?そんなことはないだろう。」と半信半疑。その後、植物園のサインと絵でわかりました。「あ〜、bread fruit!」つまり、それがパンの木でした。
このパンの木、調べてみると、ただものではありませんでした。ハワイやタヒチでは「ウル」とよばれ、たくさんの神話をもつようです。パンの木を一本植えると、“葉”は燃料に、“実”は大切な食料に、そして“木”はカヌーに、“樹液”は接着剤として使うことができたため、太平洋の島々に住む人々にとってなくてはならない木だったとのこと。
そんな話を知ってしまうと、パンの木が偉大な木に見えてきてしまいます。限界の高さまで育てたくなってしまうのは、私だけでしょうか?

属名 Artocarpus incisa L. forma
パンノキ属 くわ科
by haimy